小さい(診療所)からできることがある
~ユーザーの視点で医療を守・破・離~

特定医療法人 フェニックス
社会福祉法人 フェニックス
会長 長縄伸幸
人は「病気になりたくない、いつまでも元気で家族と一緒にいたい」が本音であり、医療機関とは関わりあわないのが理想です。
従って、ユーザーの視点から考えれば、「病気にさせない、重度化させない」ことが医療者の使命であり、予防的で全人的な医療を私ども特定医療法人フェニックスは求め続けてきました。
近年の家族関係や地域社会は私が育った時代とは大きく様変わりしており、ハイピッチで進む少子高齢社会に対応するため、社会的介護を目的とした介護保険制度の創設や医療保険制度の抜本的改革が行なわれています。
私どもが鵜沼中央クリニックを開設した1988年はまさにその前夜でした。
1991年に診療報酬の保証がないまま患者さんの要望で在宅チームを結成し、手探りで無我夢中に訪問看護・訪問リハビリを行いました。
この実践から、私どもは小さな診療所だからできることが何かを知り、医療を忘れることなく(守)地域のニーズに応えるよう様福祉(介護)・保健(疾病予防)の分野へもユーザーの視点から挑戦(破・離)し続けています。
今後、医療機関の機能分化と連携、医療と福祉の融合からなる包括的地域ケアが少子高齢社会を支えるキーですが、その為には自らが選ぶ医療・福祉・地域(隣近所、子供、サークルグループなど)の親衛チームの協力がもっとも重要です。
今、医療機関の機能分化と地域連携が重点課題です。
特に、有床診療所は“困ったらとりあえず赤ひげ先生”として次のような4つの役割が期待されています。
②回復期・慢性維持期病床機能
③在宅療養・在宅復帰支援
④終末期医療
以上の4項目いずれも私どもは鵜沼中央クリニックを開設以来積極的に取り組んできました。
今後さらに、医療機関の機能分化が進み急性期病院からの紹介が増えると共に在宅療養されている方への定期的支援や急な病状変化に迅速にいつでも対応できる体制(在宅療養支援診療所としての役割③④)の充実が必要です。しかし、従来の設備、体制ではこれ以上の地域の要請には充分に応えられません。そこで鵜沼中央クリニックを移転し機能分化を行うこととしました。
鵜沼中央クリニックで担ってきた4つの役割のうち、①②を新たに開設した「フェニックス総合クリニック」が担います。そして③④を同時開設した「フェニックス在宅支援クリニック」が担います。
「フェニックス総合クリニック」は、最新技術・機器を備え、プライマリーケア機能の充実と、早期治療のための検診、さらに最新情報を取り入れ、充分なスペースとアメニティーを兼ねそろえた亜急性期・回復期リハビリテーション拠点となります。
「フェニックス在宅支援クリニック」は往診をはじめ在宅支援機能の充実とターミナルケア体制を整えた本格的な在宅療養支援拠点となります。
フェニックスグループの歩みの中で、患者様・医療関係者のニーズから新たな医療複合拠点が生まれました。
これからの新しい時代に向けスタッフ一同全力を注いでまいります。